私たちが身につけている衣類は、「繊維」という素材から作られています。
中でも天然繊維は、自然の素材を原料とし、肌なじみの良さや快適さが魅力です。
この記事では、繊維の基本的な種類と、綿・麻・絹・羊毛といった代表的な天然繊維の特徴を、わかりやすく紹介します。
衣類に使用される繊維


私たちの身の回りにある、衣服や下着などのさまざまな繊維製品。
それらに使われる繊維は、以下の2種類に分類されます。
天然繊維=自然の素材を活かした繊維
肌なじみが良く、吸湿性や通気性に優れている
化学繊維=人工的に作られた繊維
丈夫で扱いやすく、シワになりにくい
近年は、着心地や環境への配慮から、改めて天然繊維が注目されています。
天然繊維とは
天然繊維とは、自然の素材を活かした繊維ですが、原料の違いによって以下の2種類に分類されます。

①植物繊維=植物の種子や茎などを原料としているもの
綿や麻など

②動物繊維=動物の毛や繭を原料としているもの
羊毛や絹など
ここからは、代表的な天然繊維をひとつずつ見ていきましょう。
コットン(綿)


綿花に生える種子毛から作られる繊維。
植物由来で、主成分はセルロースという植物の繊維成分です。
綿花を収穫→種子から繊維を取り出す→糸に紡ぐ、という工程で作られます。
3年以上農薬や化学肥料を使用せず、有機栽培の基準に従って育てられた綿は「オーガニックコットン」と呼ばれ、環境保護の観点からも注目されています。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 肌触りがよい | シワになりやすい |
| 保温性が高い | 縮みやすい |
| 汗をよく吸収する | 酸に弱い |
| 風をよく通す | 乾きにくい |
| 熱に強い | 重くなりやすい |
| 頑丈 | |
| アルカリに強い | |
| 静電気に強い |

Tシャツや下着、タオルなど、肌に直接触れるアイテムに幅広く使われているよ。
リネン(麻)


亜麻の茎から作られる繊維。
茎の内部にある靭皮繊維を取り出し、細くほぐして糸に紡いで作られます。
主成分はセルロースです。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 耐久性が高い | シワになりやすい |
| 蒸れにくい | 肌触りが硬め |
| 乾きやすい | 伸縮性がない |
| ひんやりとしやすい | |
| 汚れにくい |

夏服やキッチンクロスなど、涼しさと丈夫さを求めるアイテムに多く使われているよ。
シルク(絹)


蚕が作る繭から取れる繊維。
「生糸」という繭をほどいて得られる長い1本の糸が、シルクの原料となります。
主成分はフィブロインと呼ばれるタンパク質で、独特の光沢やしなやかさを生み出します。
又、人の肌に近い成分を含むため、刺激が少ないのも特徴です。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| なめらかな肌触り | アルカリに弱い |
| ドレープ性がある | 虫害を受けやすい |
| 汗や湿気をよく吸い取る | 日光に黄変し、脆化する |
| 染料によく染まる | 水や摩擦に弱い |
| 軽量で保温性がある | シワやスレに弱い |
| 美しい光沢を放つ |

ブラウスやスカーフなど、肌に心地よい高級素材として広く使われているよ。
ウール(羊毛)


羊毛から作られる繊維。
刈り取った羊毛を洗い、不純物を取り除き、繊維を整え糸に紡いで作られます。
主成分はケラチンという動物性タンパク質で、ウール特有の弾力や温かさを生み出します。
水洗いには適さないので、専用の洗剤を使用し、油分を補充しながら手入れしましょう。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 水分や水溶性の汚れに強い | 縮みやすい |
| 静電気の発生を防ぐ | チクチクした肌触り |
| 塵やホコリが付着しにくい | アルカリに弱い |
| 熱の放出を防ぐ | 虫害を受けやすい |
| シワになりにくい | 乾きにくい |
| 酸に強い |

コートやニット、マフラーなど、秋冬アイテムの定番素材として広く使われているよ。
天然繊維のメリット

天然繊維のメリットは、以下の3点です。
- 肌に優しく、敏感肌でも安心して着用できる
- 通気性や吸湿性が高く、快適な着心地を保ちやすい
- 素材が自然由来なので、環境にやさしい
天然繊維は柔らかな質感で肌への負担が少ないため、アレルギー体質の方や敏感肌の方も快適な着心地を楽しみやすいでしょう。
また、通気性・吸湿性が高く、暑い季節でも爽やかさを保ちやすいのもメリットです。
デメリット

天然繊維のデメリットは、以下の2点です。
- 耐久性が低く、摩耗や破れ、しわが発生しやすい
- 洗濯や日光などの紫外線による変色・色落ちなどもある
適切な洗濯方法やアイロンによるケアによって、ある程度抑えることができます。
まとめ
天然繊維は、動物や植物など自然の素材を活かした繊維です。
繊維にはそれぞれ異なる特徴があり、季節や用途によって適した素材は変わってきます。
素材の違いを知ることで、着心地や快適さを意識した選び方ができるようになります。
日々の服選びの一つとして、天然繊維を取り入れてみてください。
参考
・朝倉書店「生活科学テキストシリーズ 衣服材料学」:平井郁子・松梨久仁子編著
・https://shifton.kpp-gr.com/media/tip/a190:KPPグループホールディングス株式会社

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