私たちの身の回りにある衣類の多くには、化学繊維が使われています。
シワになりにくい、乾きやすい、丈夫で長持ちする、こうした特徴を支えているのが、人工的に作られた合成繊維です。
この記事では、化学繊維の基本から代表的な種類、メリット・デメリットまでを分かりやすく説明します。
天然繊維と化学繊維
私たちの身の回りにある、衣服や下着などのさまざまな繊維製品。
動物や植物を原料とした天然繊維と、化学物質などを原料とした化学繊維があります。
化学繊維は、石油などの化学原料をもとに、人の手で性質をコントロールしながら作られた繊維のことです。
化学繊維には、天然繊維のような肌触りや風合いのよさを持ち合わせていませんが、扱いやすさや機能性に優れています。
化学繊維の中にある合成繊維とは


化学繊維には、合成繊維と再生繊維の2種類に分類されます。
- 合成繊維=石油や天然ガスなどを化学的に加工して作られたもの
- 再生繊維=自然由来の原料を化学処理して繊維にしたもの
その中でも合成繊維は、強度・伸縮性・軽さ・速乾性などを調整しやすく、日常で幅広く使われています。
代表的な合成繊維を、それぞれ見ていきましょう。
ポリエステル

世界で最も多く生産されている化学繊維。
比較的容易に製造できることや、繊維性能のバランスに優れています。
乾きやすく、シワになりにくいのが特徴です。
その反面、吸水性はありません。
- 綿などの繊維と混ぜて使われることが多い
ポリウレタン

ゴムのように伸び縮みする繊維。
スパンデックス繊維とも呼ばれています。
他の繊維と比較して劣化しやすく、紫外線や塩素などに弱いのが特徴です。
ポリウレタン単体の製品はなく、他の繊維と組み合わせ、使われています。
- 水着・ストッキング・ジーンズなど、さまざまな衣類にストレッチ性を付加する役割が強い
ナイロン

1930年代半ば、アメリカのデュポン社によって初めて工業化された合成繊維。
別名ポリアミド。
ナイロンには種類があり、ナイロン6.6はアメリカ、ナイロン6は日本で開発されました。
柔らかくてよく伸びるうえに、切れにくい強さも兼ね備えています。
- 軽くてしなやかなため、アウトドア用品やストッキングや、バッグなどによく使われる
アクリル

羊毛に似た風合いを持つ繊維。
空気を多く含むため暖かく、ふんわりとした肌触りです。
雨や紫外線に対して強く、色あせや劣化が起こりにくいです。
- 高温で収縮・軟化するため、乾燥機の使用やアイロンには注意が必要
化学繊維のメリット・デメリット
化学繊維は、今や多くの衣類に使われている身近な素材です。
機能面に優れている反面、注意したい点もあります。
化学繊維のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 丈夫で長持ちしやすい | 蒸れやすい |
| 手入れをしやすい | 静電気が起きやすい |
| 乾きやすい | 自然分解しにくい |
| 機能性を付加しやすい |
まとめ
合成繊維は、機能性や扱いやすさに優れた、現代の生活に欠かせない素材です。
一方で、着心地や環境面で注意が必要な点もあります。
天然繊維と合成繊維、それぞれの特性を理解し、用途やシーンに合わせて使い分けることによって、快適な服選びにつながります。
参考
・朝倉書店「生活科学テキストシリーズ 衣服材料学」:平井郁子・松梨久仁子編著
・日本化学繊維協会HP:https://www.jcfa.gr.jp/understanding-chemical-fibers/types-of-chemical-fibers/

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